フロアコーティングNEWS|法制度・リフォーム

フロアコーティングに建築確認は必要?改正建築基準法と床リフォームの境界を解説

2025年4月施行の改正建築基準法により、2階建て木造一戸建て住宅などで「大規模な修繕・模様替え」を行う場合、建築確認が必要になりました。一方、既存の床へフロアコーティングだけを施工する工事は、通常これに当たりません。国土交通省の資料をもとに、床の表面仕上げと構造部分の改修の境界を分かりやすく整理します。

結論:コーティング単独は通常不要
構造床の大規模改修は要確認
2026年9月11日

まず結論|フロアコーティングだけなら通常は建築確認不要

フロアコーティングは、既存の床材表面に塗膜を形成する仕上げ工事です。一般的な施工では、建築基準法上の主要構造部である「床」を造り替えないため、大規模な修繕・模様替えには当たらず、建築確認は通常必要ありません。

国土交通省は、より工事範囲の大きい「床の仕上げ材のみの改修」や「既存の仕上げ材の上に新しい仕上げ材をかぶせる改修」も、大規模な修繕・模様替えに該当しない例として示しています。フロアコーティング単独施工が通常は対象外となる、重要な判断材料です。

  • 住宅の全室を施工しても、表面コーティングだけなら「主要構造部の床を過半改修した」ことには通常なりません。
  • 床材の張り替えでも、仕上げ材だけの改修であれば、大規模な修繕・模様替えには通常該当しません。
  • 構造床や床を支える梁などの広範囲な改修を伴う場合は、別途判断が必要です。
  • 建築確認が不要でも、建築基準法への適合やマンションの管理規約など、別の確認事項は残ります。

なぜ今、床リフォームの建築確認が注目されているのか

2025年4月1日の改正建築基準法施行により、これまで建築確認の対象外だった小規模木造建築物の一部について、手続きの範囲が拡大されました。代表例が、2階建て木造一戸建て住宅などで行う大規模な修繕・大規模な模様替えです。

国土交通省は2026年9月8日、リフォーム事業者や設計者、確認審査者などを対象に、改正法のポイントを解説する説明会の開催を発表しました。説明会では、建築基準法の基本、既存建築物の現況調査、改修時の基準緩和などが扱われます。

ただし、改正後も「リフォームなら何でも建築確認が必要」になったわけではありません。最初に確認するのは、工事が主要構造部に及ぶか、その改修範囲が過半となるかです。

今回のニュースのポイント
制度変更の中心は、2階建て木造住宅などの主要構造部に及ぶ大規模リフォームです。床表面を保護するフロアコーティングまで、一律に建築確認の対象にしたものではありません。

境界を理解する鍵は「床仕上げ」と「主要構造部の床」の違い

表面・仕上げの工事

フロアコーティング・仕上げ材

床材の表面を清掃・下地調整し、塗膜で保護する工事や、床の仕上げ材のみを張り替える工事です。構造床を造り替えない範囲なら、大規模な修繕・模様替えには通常当たりません。

建物を支える部分の工事

主要構造部としての床

建物の構造に関わる床や、それを支える梁などを造り替える工事です。主要構造部の一種以上について過半を修繕・模様替えする場合、「大規模」に該当します。

「過半」は、主要構造部の種類ごとに判断

大規模な修繕・模様替えとは、壁・柱・床・梁・屋根・階段のうち、一種以上について過半を造り替える工事です。床の過半は、床の総水平投影面積に占める改修部分の割合で判断します。

ここで先に判断すべきなのは、工事が主要構造部の床に及ぶかどうかです。全床面積の半分を超えてコーティングしても、表面仕上げだけであれば、主要構造部の床を過半改修したことには通常なりません。

工事内容別|建築確認の目安

工事内容 建築確認の目安 理由・注意点
既存フローリングへのコーティング 通常不要 床表面の仕上げであり、主要構造部を造り替えないため。
洗浄・研磨・部分補修後のコーティング 通常不要 表面の下地調整や局所的な補修にとどまる場合。構造床の補修へ広がる場合は再確認。
床の仕上げ材のみを張り替える 通常不要 国土交通省が、大規模な修繕・模様替えに該当しない例として明示。
既存床の上へ新しい仕上げ材を重ね張りする 通常不要 既存仕上げ材の上へ被せる改修も、同資料で対象外の例とされている。
構造床や床を支える梁などを広範囲に交換・補強する 要確認 主要構造部の改修に当たり、その種類について過半となる場合は大規模な修繕・模様替えとなる可能性がある。
壁・柱・梁・屋根・階段も含む全面リフォーム 工事全体で要確認 コーティング部分だけでなく、改修計画全体を主要構造部の種類ごとに判定する。

※上表は一般的な目安です。同じ名称の工事でも、実際の建物構成や撤去・交換範囲により判断が異なります。

建築確認が必要になる可能性がある3つの条件

条件1

主要構造部を改修する

壁・柱・床・梁・屋根・階段の構造に関わる部分を修繕・模様替えする工事であること。

条件2

一種以上で過半となる

床なら総水平投影面積、壁なら総面積、柱・梁なら総本数など、主要構造部の種類ごとに過半を判断。

条件3

確認対象の建物である

代表例は2階建て木造戸建てなど、階数2以上または延べ面積200㎡超の建築物。特殊建築物にも別の区分があります。

2025年改正で特に影響を受ける住宅

2階建て木造戸建てなどは、改正後の「2号建築物」に該当し、大規模な修繕・模様替えを行う場合に建築確認が必要です。一方、一般的な木造平屋で延べ面積200㎡以下の住宅は、大規模な修繕・模様替えについて建築確認手続きの対象外とされています。

ただし、手続きが不要であることと、法令に適合しなくてよいことは別です。国土交通省も、建築確認が不要な工事でも建築基準法に適合するよう改修する必要があると注意を促しています。

建築確認とは別問題|施工会社の「建設業許可」は何を示す?

一般に「建築業の許可」と呼ばれることがありますが、正式には建設業許可です。建築確認が建物の工事計画について法令適合性を確認する手続きであるのに対し、建設業許可は、施工会社が一定規模以上の建設工事を請け負うための営業上の許可です。

建築確認

工事計画と建物を確認する制度

建物の用途・規模・構造や工事内容をもとに、着工前の手続きが必要かを判断します。施工会社に建設業許可があっても、建築確認の要否は変わりません。

建設業許可

施工会社の営業範囲を確認する制度

工事業種ごとに取得し、請け負える工事規模に関係します。建築確認が不要なコーティング工事でも、契約金額によっては施工会社側に許可が必要です。

フロアコーティングは通常「塗装工事」として確認

国土交通省は「塗装工事」を、塗料・塗材などを工作物へ吹き付け、塗り付け、または張り付ける工事とし、例として塗装工事やライニング工事などを挙げています。この分類から、既存床へ塗膜を形成する一般的なフロアコーティングは、通常「塗装工事」として確認するのが基本です。

税込500万円未満の工事なら、建設業許可がなくても受注可能
建築一式工事以外では、1件の請負代金が消費税込み500万円未満の工事は「軽微な建設工事」とされ、建設業許可がなくても請け負えます。500万円ちょうどは「未満」ではないため、原則として該当業種の許可が必要です。

※施工方法、契約内容、床材の張り替えや下地工事の有無によって工事業種の判断が変わる場合があります。建築一式工事にある1,500万円未満等の基準は、単独のフロアコーティングへそのまま適用する基準ではありません。

建設業許可あり・なしのメリット、注意点と使い分け

建設業許可あり

一定規模以上や複合工事に向く

メリット

許可業種について軽微な工事の上限を超える契約が可能です。許可取得時に、経営管理体制、営業所技術者、社会保険への加入、誠実性、財産的基礎、欠格要件などの行政審査を受けています。許可情報を公的な検索システムで確認できます。

注意点・デメリット

許可はコーティングの施工品質、商品知識、床材との密着性、保証対応を直接認定する制度ではありません。許可取得・更新・届出などの管理コストが発生しますが、それが価格や対応品質へどう反映されるかは会社ごとに異なります。

建設業許可なし

軽微な専門工事へ集中できる

メリット

税込500万円未満の軽微な工事に限定するなら、許可なしでも適法に営業できます。小規模な専門会社や職人直営の会社が、住宅向けコーティングへ特化し、柔軟な日程や直接施工に対応している場合もあります。

注意点・デメリット

許可取得時と同じ行政審査を受けたことは確認できず、許可が必要な規模の工事は請け負えません。消費者側で、施工実績、使用材料、賠償責任保険、契約書、保証条件、アフター対応などをより丁寧に確認する必要があります。

工事内容による使い分けの目安

依頼内容 許可の見方 優先して確認する項目
一般住宅のフロアコーティング単独工事
税込500万円未満
許可あり・なしの両方を比較可能 床材への適合性、施工担当者の経験、施工事例、保証、保険、見積りの明確さ。
塗装工事として税込500万円以上となる大規模案件 原則として塗装工事業の許可を確認 許可業種、許可番号、有効期間、施工体制、現場管理、安全管理。
床材・下地・構造部分の改修を伴う工事 工事内容に対応する許可業種を確認 建築士による判断、建築確認の要否、元請会社と各専門工事会社の役割分担。
店舗・施設・法人の広範囲施工 許可と組織的な施工体制を重視 工程表、作業員管理、安全書類、賠償責任保険、夜間施工、引き渡し条件。

許可表示で誤解しやすいポイント

  • 何らかの許可があれば十分とは限りません。大規模なフロアコーティングでは、許可の有無だけでなく「塗装工事業」など該当する許可業種を確認します。
  • 大臣許可と知事許可は、品質ランクの違いではありません。建設業を営む営業所が2都道府県以上にあるか、1都道府県内だけかによる区分です。知事許可でも全国で施工できます。
  • 一般建設業と特定建設業も、施工技術の上下を表す区分ではありません。元請として工事を受注した際に締結する下請契約の規模による区分です。
  • 許可は5年ごとに更新が必要です。会社名だけでなく、許可番号、業種、有効性を国土交通省の業者検索や許可行政庁で確認します。

見積り前に確認したい8項目

  • 施工範囲:既存床へのコーティングだけか、床材の撤去・交換も含むか。
  • 下地処理:洗浄・研磨・傷補修の範囲か、構造床まで補修する可能性があるか。
  • 床下の状態:腐食・漏水・シロアリ被害などにより、追加の構造補修が想定されるか。
  • 改修面積:構造部分へ工事が及ぶ場合、その範囲が床全体の過半となるか。
  • 建物情報:用途、構造、階数、延べ面積を施工会社や設計者へ正しく伝えているか。
  • 許可情報:大規模案件や複合工事では、施工会社が工事内容に対応する建設業許可を取得しているか。
  • 同時工事:壁・柱・梁・屋根・階段など、ほかの主要構造部の改修を一緒に行うか。
  • 相談先:判断が分かれる場合、建築士、特定行政庁の建築担当窓口、指定確認検査機関へ工事図面を示して確認したか。

見積書で工事範囲を曖昧にしないことが大切です。
「既存床表面の清掃・下地調整・コーティング」なのか、「床材の撤去」「下地合板の交換」「構造床・梁の補修」まで含むのかを分けて記載してもらうと、建築確認の要否と追加費用の両方を判断しやすくなります。

戸建て・マンション・新築で異なる実務上の注意

戸建て住宅

コーティング単独か、床の張り替えや耐震改修を伴うかを確認します。解体後に構造部分の傷みが見つかった場合は、追加工事へ進む前に設計者へ相談しましょう。

分譲マンション

専有部分のコーティングは通常、建築確認の問題とはなりません。ただし、管理規約・使用細則、工事届、作業時間、搬入経路などは別途確認が必要です。床材を交換する場合は遮音性能の規定にも注意します。

新築・入居前施工

建物本体の建築確認とは別に、完成した床へのコーティングだけなら通常、新たな建築確認は不要です。引き渡し時期、床材メーカーの注意事項、住宅会社の保証条件を事前に確認します。

建築確認の要否は、安全性・品質・保証の適否を自動的に保証するものではありません。施工前には、床材との適合性、使用材料、乾燥・硬化時間、換気方法、保証対象を確認してください。詳しくはフロアコーティングの品質・安全性もご覧ください。

よくある質問

建設業許可がない施工会社へ依頼しても違法ではありませんか?

許可がないことだけで違法とはいえません。建築一式工事以外では、1件の請負代金が消費税込み500万円未満の工事は「軽微な建設工事」とされ、建設業許可がなくても請け負えます。一方、塗装工事として税込500万円以上となる場合は、原則として該当する建設業許可が必要です。

家全体をコーティングすると、床面積の過半に当たりますか?

施工面積が床面積の半分を超えていても、既存床表面へのコーティングだけであれば、主要構造部の床を過半改修したことには通常なりません。「面積が過半か」を見る前に、主要構造部を修繕・模様替えする工事かどうかを確認します。

フローリングを張り替えてからコーティングする場合は?

仕上げ材のみの張り替えであれば、国土交通省は大規模な修繕・模様替えに該当しない例として示しています。ただし、下地合板や構造床、梁などまで広範囲に交換する場合は個別確認が必要です。

工事中に床下の腐食が見つかった場合は?

当初のコーティング工事とは別に、構造部分の補修が必要になる可能性があります。補修範囲を確定し、主要構造部の種類ごとに過半となるか、建物が確認対象かを建築士などへ相談してから進めてください。

マンションのフロアコーティングにも建築確認は必要ですか?

専有部分の既存床へコーティングだけを行う場合は、通常不要です。ただし、建築確認とは別に、管理規約や使用細則に基づく工事申請・届出が必要な場合があります。必ず管理組合または管理会社へ確認してください。

最終的な判断は誰に確認すればよいですか?

工事内容を把握する建築士や設計者に相談し、必要に応じて所在地を管轄する特定行政庁の建築担当窓口、または指定確認検査機関へ図面・工事範囲を示して確認します。工事名だけではなく、撤去・交換する部材と範囲を伝えることが重要です。

まとめ|判断基準は施工面積より、構造部分を改修するかどうか

フロアコーティング単独施工は、通常、建築確認を必要とする大規模な修繕・模様替えには該当しません。床全面への施工であっても、表面仕上げだけなら「主要構造部の床を過半改修した」とは通常扱われない点が重要です。

一方、構造床や梁などの改修を伴う場合、または壁・柱・屋根・階段を含む全面リフォームの一部として施工する場合は、改修計画全体で判断します。契約前に工事範囲を書面で明確にし、迷う場合は建築士や行政窓口へ確認してください。

また、施工会社が建設業許可を取得しているかどうかは、建築確認とは別の制度です。許可がないことだけで違法・低品質とは判断できず、許可があることだけでコーティングの仕上がりや保証まで担保されるわけでもありません。

根拠資料・参考情報

※本記事は2026年9月11日時点の国土交通省公開資料をもとに、一般的な情報を整理したものです。建築確認の要否は、建物の用途・規模・構造、実際の工事範囲、所管行政庁の判断などにより異なる場合があります。個別案件では、建築士、特定行政庁または指定確認検査機関へご確認ください。

フロアコーティングNEWS編集部

大手フロアコーティング施工会社に15年勤務した後、フロアコーティングに特化したNEWSサイトを立ち上げました。フロアコーティング業界の最新動向をお届け。